体組成計に乗ると表示される「体脂肪率」。数字は出るものの、「自分は高いのか、ふつうなのか」「どの基準で見ればいいのか」がわかりにくい指標です。

この記事では、厚生労働省のe-ヘルスネット、日本人を測った研究、海外の論文をもとに、体脂肪率の目安と平均、測り方による誤差、BMI・腹囲との違い、体脂肪率を下げたいときの考え方を整理しました。研究の強さは、主張ごとにラベルで示しています。

体脂肪率とは

体脂肪率は、体重のうち体脂肪の重さが占める割合をパーセントで表したものです[1]。体重が同じでも、筋肉が多い人と脂肪が多い人では体脂肪率が違います。

参考 体脂肪の測り方にはいくつかの種類があります。e-ヘルスネットでは、皮下脂肪の厚みをはさんで測る方法、水中で体重を量る方法、空気の圧力の変化から求める方法、2種類のX線を当てる二重エネルギーX線吸収法(DXA:デキサ)、CT・MRI・超音波で断面を撮る方法などが紹介されています。このうち一般家庭に広く使われているのが、体に弱い電流を流して電気の通りにくさ(インピーダンス)から体脂肪を推定する生体電気インピーダンス法です[2]。家庭用の体組成計は、この方法で「推定」した値を表示しています。

体脂肪率の目安:公的に決まった基準値はない

まず押さえておきたいのは、体脂肪率には公的に決まった統一の基準値がないという点です。

参考 e-ヘルスネットの用語解説「体脂肪率」では、肥満の判定には国際的にも日本でもBMIが使われており、体脂肪率は使われていないと説明されています。体脂肪率と生活習慣病の関係は、BMIに比べて研究がしにくく、精度の高い結果が十分ではないことなどから、現時点では体脂肪率の基準値は決まっていないとされています[1]。

そのうえで、目安として使われている数字は、出どころによって次のように違います。

e-ヘルスネット(厚生労働省)の目安

参考 e-ヘルスネットの用語解説「体脂肪計」では、成人男性は25%、成人女性は30%を超えると体脂肪量が増えているといわれている、と紹介されています[2]。「ここからが病気」という線ではなく、体脂肪が多めかどうかを見るときの一つの目安です。

体組成計メーカーの判定の目安(メーカーの基準)

参考 体組成計に表示される「標準」「やや高い」などの判定は、各メーカーが独自に決めた基準です。たとえば、オムロン ヘルスケアの公式サイトでは、次のような目安が示されています(同社は、海外と国内の研究者が提唱した肥満判定の値を参考にしたと説明しています)[3]。

判定(メーカーの基準)男性女性
低い5.0〜9.9%5.0〜19.9%
標準10.0〜19.9%20.0〜29.9%
やや高い20.0〜24.9%30.0〜34.9%
高い25.0%〜35.0%〜

※オムロン ヘルスケアの公式サイトに掲載された「体脂肪率判定の目安」(2026年10月時点で確認)。年齢による区分はありません。ほかのメーカーの機種では、範囲や区分が違う場合があります。お使いの体組成計の判定は、その機種の取扱説明書で確認してください。

同じ「女性30%」でも、e-ヘルスネットの目安では「体脂肪量が増えている」側、上のメーカーの基準では「やや高い」の入り口にあたります。どの基準で見ているかによって判定の言葉が変わることを知っておくと、数字に振り回されにくくなります。

日本人の体脂肪率の平均と、年代による変化

「体脂肪率の平均はどれくらいか」も気になるところです。ただし、日本人全体を代表する体脂肪率の平均を示した公的統計は、今回確認した範囲では見つかりませんでした。ここでは、日本人を精密な方法で測った研究を紹介します。

根拠:弱い 福岡県の健診施設を受診した20〜79歳の健康な成人2,411人(男性625人・女性1,786人)の体脂肪率をDXAで測った研究では、平均の体脂肪率は男性21.8%、女性32.0%でした(平均のBMIは男性23.2、女性22.1)[4]。年代による変化を見ると、男性では体脂肪率などの「脂肪の多さ」を示す値が40代〜50代でもっとも高くなる山なりの形、女性では年齢が上がるほど高くなる傾向がありました。また、筋肉などの量(除脂肪量)は40代ごろまでほぼ一定で、その後は男女とも減っていました[4]。

読むときの注意点が3つあります。1つめは、健診施設を受診した人を対象にした研究で、女性の人数が多いなど、日本人全体の平均とは言い切れないこと。2つめは、DXAで測った値なので、家庭用の体組成計の数字とそのまま比べられるとは限らないこと(次の章で説明します)。3つめは、2001年に発表された研究で、いまの日本人とは体格が違う可能性があることです。

年齢とともに筋肉などが減り、脂肪の割合が増えやすいという傾向は、筋トレやタンパク質のとり方を考えるうえでも参考になります。タンパク質の目安はタンパク質は1日どれくらい必要?で詳しく解説しています。

家庭用の体組成計の誤差:DXAと比べると

家庭用の体組成計は手軽に測れる反面、表示される数字には誤差があります。

参考 e-ヘルスネットでは、生体電気インピーダンス法は体の水分量が変わると体脂肪率も変動しやすい測定方法なので、測る前に水分量が変わる飲食・運動・入浴は避け、同じ時間・同じ状態で測ることが必要だと説明されています[2]。別の解説では、機種によって推定方法や判定基準が違うことがあり、体脂肪率の正確な測定は難しいため、一定の誤差があることを理解したうえで、測定値の増減の傾向をつかむ目安にするよう勧めています[5]。

参考 ドイツで成人106人を対象に、市販の体組成計4機種(両足で乗るタイプ3機種、両手両足に電極があるタイプ1機種)の体脂肪率を、DXAで測った値と比べた研究があります。集団の平均で見ると、4機種のうち3機種はDXAとの差が1.5ポイント未満で、残る1機種は約3ポイントの差でした。一方、一人ひとりで見たずれの幅(95%の人が入る範囲)は、両手両足タイプでおよそ−6.6〜+4.6ポイント、両足タイプでは最大でおよそ−14.5〜+8.6ポイントと広くなっていました[6]。研究者らは、両足で乗るタイプは集団の平均をつかむ調査には使えるものの、個人の評価には両手両足に電極があるタイプが望ましいとしています[6]。

参考 日本人でも、40〜78歳の地域住民153人(女性102人・男性51人)で、生体電気インピーダンス法の体脂肪率とDXAの値を比べた研究があります。両者には相関がありましたが、体脂肪が少ない人では高めに、多い人では低めに出る傾向があり、DXAの値の±10%以内(たとえばDXAで30%なら27〜33%の範囲)に収まったのは女性の45.1%、男性の47.1%でした[7]。

どちらも特定の機種・少人数の研究なので、いまの製品すべてに当てはまるとは限りません。それでも、家庭用の体組成計の1回の数字は数ポイント程度ずれることがあると考えておくのが無難です。

測り方のコツ:毎回同じ時間帯(たとえば朝、トイレのあと、食事の前)・同じ状態で測り、1日ごとの数字ではなく週や月単位の流れで見ましょう。体重の日々の上下については痩せない原因は?見直したい7つのポイントでも解説しています。

BMI・腹囲との違い:日本の肥満とメタボの判定

健康診断で使われるのは、体脂肪率ではなくBMIと腹囲です。それぞれ何を見ているのかを整理します。

BMI:日本では25以上が「肥満」

参考 BMIは「体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」で計算する体格の指数です。日本肥満学会の基準ではBMI25以上を肥満、18.5未満を低体重(やせ)としています。WHOの基準では30以上を肥満(Obese)としており、国によって判定の線が違います[8]。また、肥満(BMI25以上)だからといって、医学的に減量が必要な状態とは限らず、治療が必要な「肥満症」とは区別されています[5][8]。もっとも病気になりにくいとされるBMIは22で、標準体重は「身長(m)×身長(m)×22」で計算します[5]。

BMIの弱点は、身長と体重だけで計算するため、筋肉が多いのか脂肪が多いのかを区別できないことです。e-ヘルスネットでは、BMIは標準でも体脂肪率が高い「隠れ肥満」が若い女性に多く見られると紹介されています[5]。

根拠:強い BMIで体脂肪の多さをどれだけ見分けられるかを調べた25件の研究(約3万2千人)をまとめた分析では、よく使われるBMIの基準で「肥満」と判定できたのは、体脂肪率が高い人のおよそ半分(感度50%)でした。反対に、BMIで肥満と判定された人の多くは、実際に体脂肪率も高い人でした(特異度90%)[9]。つまり、BMIが基準内でも体脂肪が多い人は少なくないということです。なお、この分析には海外の研究が多く含まれ、BMIの基準も日本とは異なるものが中心です。

腹囲:メタボの判定は男性85cm・女性90cm以上

参考 体脂肪の「量」だけでなく「どこについているか」も大切です。e-ヘルスネットでは、同じBMIでも、おなかの内側(内臓のまわり)に脂肪がたまる「内臓脂肪型肥満」の人は、糖尿病・高血圧・脂質代謝異常などを発症する確率が高くなると説明されています[5]。

参考 日本のメタボリックシンドロームの診断基準(2005年に8つの医学系学会が合同で策定)では、おへその高さの腹囲が男性85cm以上・女性90cm以上(内臓脂肪面積で男女とも100cm²以上に相当)を必須の項目とし、そのうえで次の3つのうち2つ以上が基準から外れている状態をメタボリックシンドロームとしています[10]。

  • 中性脂肪150mg/dL以上 かつ/または HDLコレステロール40mg/dL未満
  • 収縮期(上の)血圧130mmHg以上 かつ/または 拡張期(下の)血圧85mmHg以上
  • 空腹時血糖110mg/dL以上

腹囲が基準を超えているだけでは、メタボリックシンドロームにはあてはまりません[10]。また、特定健診・特定保健指導では、腹囲に加えてBMIも使って対象者を選んでいます[8]。健診の数値の読み方は健康診断の結果の見方も参考にしてください。

体脂肪率を下げたいときの考え方

体脂肪率は「脂肪の重さ÷体重」なので、脂肪を減らすことと、筋肉などの量(除脂肪量)を保つことの両方が数字に関わります。食事を減らすだけだと、脂肪と一緒に筋肉なども減りやすく、体重は減っても体脂肪率があまり下がらないことがあります。

食事の見直しに筋トレを組み合わせる

根拠:強い 太りぎみ・肥満の人を対象にした114件のランダム化比較試験(参加者4,184人)をまとめた分析では、筋トレと食事制限を組み合わせたグループは、何もしなかったグループに比べて体脂肪率が平均3.8ポイント、体脂肪量が平均5.3kg減っていました。このとき、除脂肪量(筋肉などの量)ははっきりした減少がなく保たれていました。筋トレと有酸素運動の組み合わせ(体脂肪率−2.3ポイント)や、筋トレだけ(−1.6ポイント)でも、何もしないグループより体脂肪率が下がっていました[11]。

有酸素運動は「脂肪の量」、筋トレは「筋肉の量」に関わりやすい

根拠:中くらい 運動習慣のない太りぎみ・肥満の成人119人を、有酸素運動・筋トレ・その両方の3グループに分けて8か月続けたランダム化比較試験では、有酸素運動のグループと両方のグループは、筋トレだけのグループより体重と脂肪量が多く減りました。一方、筋肉などの量(除脂肪量)が増えたのは、筋トレを含む2つのグループでした[12]。

根拠:強い 内臓脂肪については、太りぎみの成人を対象にした15件の研究(852人)をまとめた分析で、食事制限をしなくても運動によって内臓脂肪が減っており、特に中くらい〜高い強度の有酸素運動で減り幅が大きい傾向がありました[13]。有酸素運動と筋トレの違いは有酸素運動と筋トレ、減量にはどっち?で詳しく比べています。

食事を減らすときはタンパク質も意識する

根拠:強い エネルギー(カロリー)を同じだけ減らした食事で、タンパク質を多めにした場合と標準の場合を比べた24件のランダム化比較試験(1,063人、平均約12週間)をまとめた分析では、タンパク質多めの食事のほうが、脂肪量が平均0.87kg多く減り、除脂肪量の減少は平均0.43kg小さく抑えられていました[14]。差は大きくはありませんが、体脂肪率を考えるうえでは意味のある方向の結果です。

続けられる形を選ぶ

どの方法も、数週間で終わらせるより、続けることが前提です。体脂肪率の数字は誤差もあるため、1〜2か月ごとの流れを、体重・腹囲・服のきつさなどと合わせて見ていくと判断しやすくなります。筋トレを一人で続けるのが難しい場合の選択肢として、パーソナルジムの選び方もまとめています。持病がある方や運動に不安がある方は、始める前に医師に相談してください。

まとめ表:体脂肪率・BMI・腹囲の見方

指標わかること目安・基準注意点
体脂肪率体重に占める脂肪の割合公的な統一基準なし。e-ヘルスネットでは男性25%・女性30%を超えると体脂肪量が増えているとされる[2]家庭用の体組成計は水分や機種で数字が動く。流れで見る
BMI身長に対する体重の重さ日本肥満学会:25以上が肥満、18.5未満が低体重[8]筋肉と脂肪を区別できない
腹囲おなかまわりの脂肪(内臓脂肪の目安)メタボの必須項目:男性85cm以上・女性90cm以上[10]腹囲だけではメタボと判定されない(血圧・血糖・脂質もあわせて見る)

医療機関に相談したい目安

  • 食事を減らしたり運動を増やしたりしていないのに、体重が急に減っている
  • 体重が急に増え、むくみ(足・顔・まぶたなど)や息切れ、強いだるさを伴う
  • 健康診断でBMIや腹囲の指摘を受け、血圧・血糖・脂質の値にも基準外のものがある
  • 体脂肪率を下げようとして、食事を極端に減らしている・食べることに強い苦しさを感じる
  • 持病(糖尿病・高血圧・心臓病など)がある、または治療中で、食事制限や運動を始めたい

出典・注意書き

基準日:2026年10月時点

  1. 厚生労働省 e-ヘルスネット「体脂肪率」(用語解説、最終更新2024年5月28日) https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/metabolic/ym-041
  2. 厚生労働省 e-ヘルスネット「体脂肪計」(用語解説) https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/metabolic/ym-091
  3. オムロン ヘルスケア「体重計・体組成計でわかること」(商品活用ガイド。メーカーの基準) https://www.healthcare.omron.co.jp/product/hbf/guide/02.html
  4. Ito H, et al. Relation between body composition and age in healthy Japanese subjects. Eur J Clin Nutr. 2001. PMID: 11423923 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11423923/
  5. 厚生労働省 e-ヘルスネット「肥満と健康」(最終更新2019年12月17日) https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-02-001
  6. Bosy-Westphal A, et al. Accuracy of bioelectrical impedance consumer devices for measurement of body composition in comparison to whole body magnetic resonance imaging and dual X-ray absorptiometry. Obes Facts. 2008. PMID: 20054195 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20054195/
  7. Mitsui T, et al. Accuracy of body fat assessment by bioelectrical impedance in Japanese middle-aged and older people. J Nutr Sci Vitaminol (Tokyo). 2006. PMID: 16802697 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16802697/
  8. 厚生労働省 e-ヘルスネット「BMI」(用語解説、最終更新2024年2月15日) https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/metabolic/ym-002
  9. Okorodudu DO, et al. Diagnostic performance of body mass index to identify obesity as defined by body adiposity: a systematic review and meta-analysis. Int J Obes (Lond). 2010. PMID: 20125098 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20125098/
  10. 厚生労働省 e-ヘルスネット「メタボリックシンドロームの診断基準」(最終更新2021年11月5日) https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/metabolic/m-01-003
  11. Lopez P, et al. Resistance training effectiveness on body composition and body weight outcomes in individuals with overweight and obesity across the lifespan: A systematic review and meta-analysis. Obes Rev. 2022. PMID: 35191588 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35191588/
  12. Willis LH, et al. Effects of aerobic and/or resistance training on body mass and fat mass in overweight or obese adults. J Appl Physiol. 2012. PMID: 23019316 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23019316/
  13. Vissers D, et al. The effect of exercise on visceral adipose tissue in overweight adults: a systematic review and meta-analysis. PLoS One. 2013. PMID: 23409182 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23409182/
  14. Wycherley TP, et al. Effects of energy-restricted high-protein, low-fat compared with standard-protein, low-fat diets: a meta-analysis of randomized controlled trials. Am J Clin Nutr. 2012. PMID: 23097268 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23097268/

根拠の強さの表示:強い=複数の研究をまとめた分析・診療ガイドライン/中くらい=ランダム化比較試験/弱い=観察研究/参考=公的資料の目安・専門家の意見など。詳しくはこちら

ご注意

  • この記事は一般的な健康情報で、診断や治療に代わるものではありません。持病のある方・治療中の方・妊娠中の方は、主治医にご相談ください。
  • 体組成計の「標準」「やや高い」などの判定は機種・メーカーごとの基準です。健康状態の判断は、健康診断の結果や医師の説明をもとにしてください。

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